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羊肉のおいしい食べ方(2)

羊肉の基礎知識

羊肉料理は、温かいうちに食べるのが基本です。それは脂肪が低い温度で白く固まるからです。また、羊肉は、肉質が軟らかいので日数をかけて熟成する必要がありません。なるべく新鮮な状態で食べるのが上手な食べ方です。それでも、一時にたくさんの羊肉が手に入ったときには、貯蔵したり、加工したりすることが必要になります。

羊肉貯蔵

子羊の肉(ラム)は、新鮮な状態を保つために、チルドで貯蔵したいものです。最近の新しい冷蔵庫には、冷凍室、冷蔵室のほかに、チルド室を備えたものが多くなりました。これは、室温が凍結の少し手前の低い温度で貯蔵できます。これだと、肉質や味を落とさずに半月程度は貯蔵できます。止むをえず冷凍する場合には、1回に使う量ずつ小分けして貯蔵し、再び凍結を繰り返すことのないようにして下さい。

ラムのグリル(網焼き)

ラムは、塩、コショウだけでも美味しいが、それにニンニク、ローズマリーを加えたオリーブオイルに漬け込むとラムの味が一層引きたつ。炭火で焼き、焼きあがったら仕上げにさっとレモン汁をかけて食べると大変美味である。

材料

  • ラムのモモ、肩肉(チャップでも良い)
  • 塩、コショウ(ブラックペッパー)、レモン
  • ローズマリー、ニンニク(みじん切り)
  • オリーブオイル(エキストラバージン)

作り方

ラムは、食べやすい大きさに切り、上記の材料をボールでまぜ、そこにラムを入れ、よく混ぜ合わせ暫らくおく。

トリッパ(胃のトマトソース煮)

前処理

新鮮な第1胃と第2胃を用いる。内容物を除き丁寧に水洗いする。扱い易い大きさに切り、60~70℃の湯で湯どおしし、内面の粘膜を取り除く。生臭さを除くために、セージまたはセロリなど香りの強い野菜を加え、約1時間半煮る。煮たものを、食べやすい大きさに千切りする(8×30mm)。

材料

  • 第1胃、第2胃3頭分
  • トマト水煮(1号缶)1缶又は完熟トマト10個
  • 玉葱1個
  • しいたけ1パック
  • 塩、コショウ、クミン、ローリエ、セージ

作り方

みじん切りした玉葱、しいたけをオリーブオイルで炒め、千切りした胃を加え、更に炒める。この時白ワインをふりかける。トマトを加え、塩、コショウで味を調える。
(トマトは皮を剥き、裏漉しすると良い)

レバーペースト

前処理

新鮮なレバーを用いる。表面を洗ったあと金笊にのせ、冷蔵庫の中で1日程度血抜きを行う。表面の薄皮を剥き、2×5cmに切り、中の白い繊維を取り除き、(裏漉ししない場合とくに丁寧に)手で砕く。

材料

  • レバー4頭分
  • 玉葱大1個みじんぎり
  • 白ワイン100cc
  • ローズマリー5g
  • セージ5g
  • にんにく18gみじんぎり
  • アンチョビ30gみじんぎり
  • ケッパー30gみじんぎり
  • 塩5g
  • コショウ(ホール)10g
  • オリーブオイル100cc程
  • ローリエ10数枚

作り方

みじん切りした玉葱、にんにくをオリーブオイルで炒め、レバーを加え更に炒める。白ワイン、アンチョビ、ケッパー、香辛料、薬味、塩、コショウを加え、レバーに十分火が通るまで加熱する。冷えてから、ミキサーにかける。この時、オリーブオイルとブラックペッパーを加える。保存するときは、表面にローリエを並べ、ラップで覆い冷蔵庫で保存すると良い。3~4日後が美味しい。

舌の調理

生で調理する場合には、テーブルに叩きつけ繊維をほぐして、軟らかくする。20分程度湯煮して、皮を剥ぐ。