畜産技術協会は、畜産に関する技術の向上発達を目的として、昭和16年に設立され、数度の改組ののち、平成15年に、畜産関係団体の再編・統合の動きに即応して、社団法人日本緬羊協会および社団法人全日本初生雛鑑別協会との組織統合を図り、事業の継承を図りました。平成25年に国の公益法人改革の中で、公益社団法人畜産技術協会となり、現在に至っています。発足から80年余の長い歴史があります。
その間、わが国の畜産を取り巻く状況が変化し、幾多の困難な局面がありましたが、畜産技術の底上げと高位安定を通じて、畜産経営の安定、強化に努めてまいりました。
公益社団法人 畜産技術協会
会長 石 原 哲 雄
現在も、協会は畜産経営をめぐる状況が厳しい中、各種事業を通じその成果を提供することで、技術面から畜産経営を支えています。主な業務を紹介しましょう。
畜産技術情報の収集・分析と提供を行っています
最新の畜産技術情報の収集・分析を行い、報告書として取りまとめるとともに月刊誌「畜産技術」などの発行(辞典等も出版)、講習会の開催などを通じ多くの畜産関係者に情報を提供し、畜産技術の普及に努めています。
畜産技術の開発研究を推進しています
研究開発の分野で、これまで大きな成果をあげてきたSNP情報を用いたゲノム育種価評価の普及、和牛のゲノムデータベースの活用、有害変異の効率的な特定方法の開発、和牛に関する知的財産を守る活動などを行っています。
スマート畜産の推進を行っています
ICT活用による繁殖管理体系の普及、超音波画像診断技術を活用し繁殖性向上のための技術者の研修などを行っています。
アニマルウェルフェア(AW)の普及を行っています
AWに関しては、国内で話題になり始めた時期から普及に努めてきており、各畜種の飼養管理基準を取りまとめその理解醸成を図ってきましたが、令和5年に農林水産省が「家畜の飼養管理に関する技術的な指針」を策定したことから、農林水産省と一体となって、AWの普及に努めています。
海外畜産技術協力の支援を行っています
海外技術協力の派遣専門家候補の登録、JICAへの推薦、専門家への資料の提供等を行っています。
緬羊および山羊の登録、初生雛鑑別師の養成等を行っています
「緬羊および山羊の登録、改良増殖、技術普及」「初生雛鑑別師の養成、資格検定・登録」を行っています。この事業は、国内における唯一の実施機関として、農林水産省の指導の下、長きにわたり実施しています。わが国の緬山羊の振興、養鶏産業の振興に貢献しています。
当協会は今後も畜産技術の研究・開発、畜産情報の提供を通じ、わが国の畜産の健全な発展と国民生活に不可欠な畜産物の安定供給に寄与するため尽力してまいります。