身のまわりにある草や木でウールを染めよう!
身のまわりにある草や木でウールを染めてみましょう。少量のウールなら台所にある身近な道具を使って手軽に染色することができます。たくさんのウールを染める場合や、媒染剤に薬品を使うとき(劇薬もあります)は、染め専用に道具を用意して食べ物に使う道具と分けること、取り扱いに注意して、ゴム手袋などで自分の身を守ること、排水など環境への配慮も必要になります。
染液の取り方は、ここに書いてある方法以外にも、染め材を少なめの水で煮出して熱いうちに布などで漉して、別の容器に染液をとり、また染め材を少なめの水を足して煮出すということを繰り返して必要な量にするという方法などがあります。
用意するもの
- ホーローやステンレスのボールやタンク類(ウール量の30~40倍くらい水が入るもの)
- キッチンスケール
- 計量カップ
- 計量スプーン
- 厚手のゴム手袋
- 菜ばし、または割り箸
- 洗ったウール
●染料材料
- よもぎ、マリーゴールド、セイタカアワダチソウ、柿の葉、くるみの葉や青い実、栗の落花やイガや栗の実の皮、ギシギシの根などなど。
- タマネギの皮や紅茶の茶殻の干したもの。栗の渋皮煮液、豆を煮た液など台所で手に入る染め材もある。
媒染剤
- 焼きみょうばん
- 鉄液:さび釘500gを酢1Lに入れ、火にかけ沸騰後、弱火で10分煮て、一晩以上おく。釘を取り除き媒染液として使う。酢の代わりに木酢液を使うことも可。
染めてみよう!《ウール100gをマリーゴールドの花で染める》
みょうばんで媒染して黄色に染める
1.先媒染
- みょうばん3g・小匙1杯強(ウール量の3%)をよく溶いて、ボールに3Lの水を入れた中に入れ、火にかける。
- ①が30℃くらいになったら、ぬるま湯に十分つけておいたウールを入れる。
- 沸騰までなるべくゆっくり時間をかけ、沸騰後弱火にして30分煮て、火を止め一晩そのままおく。
2.染色する
- ボールにマリーゴールドの花を100g(ウールと同量)入れ、水をひたひたまで足して火にかける。沸騰したら10分ほど煎じる。
- 水を3L足して、手を入れられるくらいの温度(30~40℃くらい)だったら、さらし木綿などの薄手の布をマリーゴールドに被せるように乗せ、その上にみょうばんで媒染したウールを水をきってから入れる(手を入れて熱いと感じる温度であれば火から下ろし、30~40℃くらいに冷めるのを待つ)。
- 沸騰するまでゆっくり時間をかけて染め上げる。むらにならないように、静かにゆっくりと菜箸などでウールを動かす。沸騰後弱火にして30分煮て、火を止め、一晩そのまま放置する。
- 翌日、ぬるま湯で静かに洗い、軽く脱水して、ざるなどに広げて干す。
●鉄液で媒染してオリーブグリーンに染める
1.染色する
- ぬるま湯にウールをつけておく。
- ボールにマリーゴールドの花を100g(ウールと同量)入れ、水をひたひたまで入れて火にかける。沸騰したら弱火にして10分ほど煎じる。
- 水を3L足して、手をいれらえるくらいの温度(30~40℃)だったら、さらし木綿などの薄手の布をマリーゴールドに被せるように乗せ、その上にぬるま湯につけておいたウールを入れる(手を入れて熱いと感じる温度であれ ば火から下ろし、30~40℃くらいに冷めるのを待つ)。
- 沸騰するまでゆっくり時間をかけて染め上げる。むらにならないように、静かにゆっくりと菜ばしなどでウールを動かす。沸騰後弱火にして30分煮る。
2.鉄液で後媒染
- 染液からウールとマリーゴールドを取り除く。熱いので注意! ゴム手袋や菜ばしなどを使う。
- 鉄液100ccを入れる。かき混ぜて、染色したウールの水分を切って再び入れて、そのまま放置して冷ます。
- 冷めたら、ウールを引き上げ、ぬるま湯で洗う。軽く脱水して、ざるなどに広げて干す。
《注意点》
・ウールを染色するときに気をつけたいのは、フェルト化のこと。ウールを乱暴にかき回したり、また熱い温度のウールを水に入れて冷やすなどの急激な温度変化もフェルト化の原因になります。染色時にはできるだけウールをゆったり静かに扱うことが大切です。
・染め材は、生ならウールと同量以上、乾燥したものならばウールの半量以上。
・採集時期や土地によって色合いがちがうことも、植物で染める楽しみかもしれません。自分の染色記録や染め見本を作ると、次回の参考にもなります。
注意
- ウールを染色するときに気をつけたいのは、フェルト化のこと。ウールを乱暴にかき回したり、また熱い温度のウールを水に入れて冷やすなどの急激な温度変化もフェルト化の原因になります。染色時にはできるだけウールをゆったり静かに扱うことが大切です。
- 染め材は、生ならウールと同量以上、乾燥したものならばウールの半量以上。
- 採集時期や土地によって色合いがちがうことも、植物で染める楽しみかもしれません。自分の染色記録や染め見本を作ると、次回の参考にもなります。