スカーティングと保管
スカーティングとは
フリースのまわりの短いウールや、泥・糞尿の付着した部分、夾雑物が多い部分、毛質の極端に劣る部分を取り除き、品質の整ったきれいなフリースにし、紡ぎなど後の作業をしやすくする工程。
「裾物の処理」とも言われている。
スカーティングの方法
スカーティングのポイント
- 刈り取ったフリースがバラバラにならないうちに、できれば毛刈りの後その場ですぐにスカーティングを行うのが良い。
- フリースの毛先を上にして、スノコ状または網目状の台の上か、ビニールなどのシートの上に広げ、作業する。
- 取り除くウールは、ちぎるように除去せず、ウールに沿うように取り除く。
- 取り除いたウールはフェルトに利用できワラごみを丁寧に取り除けば糸にも紡げる。
取り除くべき所、取り除くべき物
- 下腹(ベリー)ウール
常に圧縮されておりフェルト化しやすい。泥・夾雑物も多く、あらかじめ、毛刈り時点で取り除いておくと良い。 - 泥・糞尿が付着している部分、洗っても落ちない汚れの所
臀部(ランプ)のまわり、太腿・後脚(ブリッチ)の下部。このウールは水に漬けておき、その水は庭の草木の肥料となる。 - ワラごみ・夾雑物の多い所
首(ネック)、頭部(コリデール等)。飼育状況によっては、背中(バック)も。 - フェルト状ウール
首(ネック)、太腿(ブリッチ)等。但し、飼育管理の良好な羊にはほとんど見られない。 - 短いウール
フリースのまわり(ファーストピースとも言う)。2度刈りの毛。
保管方法
- スカーティングを済ませ、普通フリースは初めて保管することができる。
- 汗や脂肪、それに伴う湿気は、カビの原因になるので良く乾燥させ、ローリングし、紙の飼料袋か布袋に入れ日陰、風通しの良い所に保管する。
- 通気の悪いビニール袋に入れ、長い間放置しておくと、フェルト化や虫、カビが発生して品質の劣化につながる。
ウールも大切な生産物です。気をつけて扱いましょう。