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難産介助のポイント

正常分娩の経過と胎子の姿勢

介助のタイミング

  1. 一次破水から1時間、2次破水から30分以上経過しても胎子が娩出されないとき。
  2. 胎子の尾や頭のみ、あるいは片足しか現れないとき。

介助の原則

  1. 介助者は、産道や子宮を傷つけないように爪を短く切っておく。
  2. 手と腕及び使用する器具は、逆性石鹸などでよく消毒する。
  3. 産道が乾いている場合は、石鹸水または潤滑剤を用いる。
  4. 静かに手を挿入して、胎子の姿勢を確認する。
  5. 胎子が異常姿勢の場合は、正常もしくは逆子の状態にして産道に導く。
  6. 胎子を引き出すときは、陣痛に合わせてゆっくりと母羊の乳房方向に引き出す。

胎子の前肢と後肢の見分け方

介助の方法

後肢先行型(逆子)
後肢をつかんでそのまま引き出す。産道内で臍帯が切れて、胎子が窒息することがあるので、早めに介助を行う必要がある。

頭先行型(前肢屈折)
胎子を子宮に押し戻して、屈折した前肢を正常な状態として引き出す。両足とも屈折している場合は、最初に引き出した足に紐を掛けるとよい。

前肢先行型(頭部側転)
胎子を子宮に押し戻して、頭部を両前肢の上に導いて引き出す。頭部確保が困難な場合は、紐を掛けて誘導する。

後躯(尾部)先行型
胎子を子宮に押し戻して、両後肢を産道に導き、逆子の状態で引き出す。前肢屈折の場合と同様に、最初に引き出した足に紐を掛けておくとよい。

胎子への紐の掛け方

前肢の確保

頭部の確保