正常分娩の経過と胎子の姿勢
介助のタイミング
- 一次破水から1時間、2次破水から30分以上経過しても胎子が娩出されないとき。
- 胎子の尾や頭のみ、あるいは片足しか現れないとき。
介助の原則
- 介助者は、産道や子宮を傷つけないように爪を短く切っておく。
- 手と腕及び使用する器具は、逆性石鹸などでよく消毒する。
- 産道が乾いている場合は、石鹸水または潤滑剤を用いる。
- 静かに手を挿入して、胎子の姿勢を確認する。
- 胎子が異常姿勢の場合は、正常もしくは逆子の状態にして産道に導く。
- 胎子を引き出すときは、陣痛に合わせてゆっくりと母羊の乳房方向に引き出す。
胎子の前肢と後肢の見分け方
介助の方法
後肢先行型(逆子)
後肢をつかんでそのまま引き出す。産道内で臍帯が切れて、胎子が窒息することがあるので、早めに介助を行う必要がある。
頭先行型(前肢屈折)
胎子を子宮に押し戻して、屈折した前肢を正常な状態として引き出す。両足とも屈折している場合は、最初に引き出した足に紐を掛けるとよい。
前肢先行型(頭部側転)
胎子を子宮に押し戻して、頭部を両前肢の上に導いて引き出す。頭部確保が困難な場合は、紐を掛けて誘導する。
後躯(尾部)先行型
胎子を子宮に押し戻して、両後肢を産道に導き、逆子の状態で引き出す。前肢屈折の場合と同様に、最初に引き出した足に紐を掛けておくとよい。
胎子への紐の掛け方
前肢の確保
頭部の確保