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クリープ・フィーディング

クリープ・フィーディングとは?

クリープ・フィーディングとは子羊だけが出入りできる囲いを設けて、まだミルクを飲んでいる子羊に固形飼料を食べさせる方法のことをいいます。通常、生後10日間から餌付けを開始します。

クリープ・フィーディングの効果

第一胃(反芻胃)の発達を促進

生まれたばかりの子羊は第一胃が未発達であり、固形飼料を消化することができない。第一胃は固形飼料を食べることで徐々に発達し、生後5週間から本格的に機能し始める。

新生子羊の胃
(第一胃は未発達で第四胃の方が大きい)

成羊の胃
(第一胃が発達し、第四胃の10倍程度になる)

栄養の補給

子羊は成長とともに多くの栄養分が必要となる。一方、母羊の乳量は分娩後5週間頃をピークに、その後は減少して行く。このため、子羊は生後4週間を過ぎる頃から母乳だけでは栄養充分に満たすことができなくなり、固形飼料による栄養補給が必要となる。

子羊の養分要求量と母乳の関係

注意

母乳による栄養補給量が不足し始めるのは生後4~5週齢ですが、固形飼料によってこの不足分を補うためには、早い時期(生後10日頃)からクリープ・フィーディングを開始し、子羊の第一胃をよく発達させておく必要があります。

クリープ・フィーディングに必要な設備

クリープ・フィーディングを行うためには、子羊だけが出入りできる子羊柵(くぐり柵)と子羊用の飼槽や草架が必要となる。クリープ柵は母羊が集まるところに近くて明るい場所に設置し、柵内には充分に敷きワラを敷き詰めて乾燥した状態を保つようにする。

子羊柵子羊の出入り口は高さ45cm、幅20cm程とし、スライド式などにして開閉できるようにしておくとよい。

飼槽(草架)飼槽は内部を清潔に保つため、飼槽内への子羊の進入を防止でき、また転倒しにくい構造がこのましい。

固形飼料の種類と給与量

クリープ・フィーディングに用いる固形飼料

固形飼料には一般に人工乳(哺育期用配合飼料)と乾牧草が用いられる。人工乳は子羊用としては市販されていないので、同じ反芻動物である子牛用のものを利用する。乾牧草についてはできるだけ良質のものを給与するようにこころがける。また、ルーサンペレットのような第一胃での分解が早い高品質粗飼料は反芻胃の発達を促進するので、合わせて給与するのがよい。

固形飼料の給与例

週齢人口乳ルーサンペレット乾牧草
〜230自由採食
3〜45030自由採食
5〜6100〜20050自由採食
7〜8300〜400100自由採食
9〜400200自由採食
注意
  • 固形飼料の消化を助けるためには水分が必要です。自由に飲水できるようにしておきましょう。
  • 飼槽は全頭が一斉に採食できる数を用意しましょう。
  • 飼料への食付きが悪い場合は、粉砕するか、嗜好性の高い大豆粕を混ぜて与えるとよいでしょう。